都議選で自民党の”最終兵器”として投入された小泉進次郎衆院議員(36)。
進次郎氏が応援に入った江戸川区が地元の平沢勝栄衆院議員(71)はこう危機感を口にした。
「いやぁ厳しい。(過去最低の38議席だった)2009年のときと空気が似ている……」
自民党の苦戦が続く十数カ所を回ったが、挽回とまではいかなかったようだ。
「進次郎氏は当初、小池(百合子)さんと戦う都議選の応援を渋っていた。だが、過去2連敗した地元・横須賀市長選(6月25日投開票)でタレントの上地雄輔パパこと、上地克明氏(63)を担いだものの、当初は苦戦。二階幹事長は上地氏のため、公明党と話をつけ、学会票を優先して回してもらい、勝った。その見返りに、進次郎氏は都議選の終盤で応援に入ったが、遅かったようだ」(自民党幹部)
前述どおり、この不人気を挽回したい安倍内閣は人気者の進次郎氏を次の内閣改造の目玉にするつもりだ。
進次郎氏もそろそろ入閣のお声がかかることを意識していたのか、加計問題で苦境に立つ安倍首相を「国家戦略特区つぶしをしてはいけない」と擁護。
メディアが前川喜平前文部科学事務次官の主張を大きく取り上げたことなどを当てこすってか、「日本にもフェイクニュースは蔓延している」とまで言い切った。
だが、進次郎氏の初入閣については党内で賛否が分かれる。首相周辺は「政党人として、最近の言動を見ると要請を受けるだろう」とみている。
一方でリスクを指摘するあるベテラン議員もいる。
「次の内閣は次期総選挙までの事実上の選挙管理内閣です。利用されて終わってしまう危険性がある」
進次郎氏は都議選の応援でこう苦言を呈した。
「この逆風を吹かしているのは誰なのか? 自民党自身ですよ」
やがてこの言葉が進次郎氏にブーメランとならないことを祈るばかりだ。(本誌・上田耕司、村上新太郎)
※週刊朝日 2017年7月14日号