自民党の閣僚経験者は、「安倍首相のメチャクチャな政権運営のツケが一気にきた」と話す。
「下村の加計からの〝闇献金〟騒動、稲田(朋美)の『自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願い』という憲法違反発言、豊田(真由子)の『このハゲー』という怒声の3点セットのダメージが大きかった。終盤でテレビに3人が映し出されるたび、100票以上は逃げた。安倍政権がこのまま続けば、次の衆院選は勝てない。普通ならもう総辞職モノです。なのに首相自身にその自覚がないことが一番の問題だ」
都議選大敗北が濃厚となり、ある自民党幹部は苦渋の表情で語った。
安倍官邸サイドとしては6月中旬時点で、都議選で第1党を維持できると踏んでいたが、もろくも崩れた。
自民党幹部によると、森友、加計問題の疑惑をかわすため、当初は9月とされていた内閣改造を早め、国会閉幕(6月18日)直後、都議選前に内閣改造を断行する方針を一旦は決めたが、土壇場で安倍首相が見送ったという。
「完全に裏目に出た。改造時期を見間違えた首相の判断ミス」(前出の自民党幹部)
加計疑惑の〝実行犯〟としてやり玉に挙がった萩生田光一官房副長官や、下村、稲田、豊田の戦犯トリオが最大派閥・細田派に集中している点について、同派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は本誌にこう語った。
「総裁派閥として、大きな責任があり反省している」
自民党幹部によると都議選劣勢が伝えられていた6月28日夜に官邸中枢から自民党執行部に改造での更迭リストと日程が届けられたという。
「更迭リストには共謀罪でめちゃくちゃな答弁をした金田勝年(法相)、防衛相の稲田、加計などで問題発言が多かった山本幸三(地方創生担当相)、前川の乱を抑えられなかった文科相の松野博一、受動喫煙でミソをつけた厚労相の塩崎恭久、北方領土問題で世耕弘成(経産相)と仲が悪い沖縄北方担当相の鶴保庸介の名前があった」
日程は7月中旬が有力視され、野党が求める衆参予算委員会での閉会中審査に応じた後という青写真だ。