エリカ・アンギャルさん、ウォルフガング・アンギャルさん夫妻(撮影/加藤夏子)
エリカ・アンギャルさん、ウォルフガング・アンギャルさん夫妻(撮影/加藤夏子)
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 妻はオーストラリア出身の栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさん。夫はオーストリア人で自国を代表するワイングラスメーカーの日本法人代表のウォルフガング・アンギャルさん。日本で出会った二人は、恋に落ち結婚し、母国ではない日本で暮らす。そんな二人の素顔に迫った。

*  *  *

妻:プロポーズの時、彼は「二つ、質問があります」って言ったの。

夫:ひとつ目は「この先、まだ2、3年は日本にいることになると思うけど、それって、考えられる?」。

妻:そうそう。

夫:もしその質問への答えがNoだったら、次の質問はできなかったね。怖くて。

妻:次の質問で「結婚してくれますか?」って。

夫:日本での仕事がいよいよ軌道に乗ってきて、さあこれから、ってタイミングだったから。最初の質問でイヤだって言われたらどうしようかと思った(笑)。

妻:あはは! でも、そもそもプロポーズなんてされると思ってなかったから、びっくりしましたよ。

夫:まあ、状況からして、まるでロマンチックとは言えなかったしね。

妻:すごく小さなアパートの一室だったもんね。

夫:東京でアート関係のディレクターをしている、ジョニー・ウォーカーさんという人がいるんですよ。

妻:ウイスキーの方じゃなくて。

夫:その人の自宅のパーティーに招かれて。そのいきさつもすごいんですよ。僕、それまでジョニーさんを知らなかったのに……。

妻:レンタルビデオ店で声をかけられたんでしょ。

夫:そう。都立大学駅近くのレンタルビデオ店にいたら、突然話しかけてきて。少しおしゃべりしたら、「今度の日曜日、空いてますか? よかったら、パーティーを開くので、来ませんか?」って誘われて。

妻:100人以上来てたかしらね。ライブペインティングなんかもあって。

夫:君はカナダ人の友人と、そのガールフレンドのオーストラリア人女性と、3人で来てたんだよね。

妻:そう。来日した翌日だったのよ! たしか、5月の10日。

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