林:最初のお相手は漫才の相方で、たしか奥さんがいらしたんですよね。少しは好きだったんですか。

内海:好きでも何でもない。その人はもともと奥さんと夫婦漫才をしてたんだけど、奥さんのおなかが大きくなったから、その代役としてあたしを相方に使ったわけ。それが大人気になっちゃって、奥さんに子どもが生まれてからも続けたの。地方巡業にも行くようになると、夫婦漫才だから同じ部屋にされるでしょ。それでお手つきになっちゃった。

林:何も知らない女の子を、ひどいじゃないですか。

内海:あたしに子どもができたらおかみさんが、「うちの亭主をとった」とイチャモンつけたの。手つけられたのはあたしなのにね。そのときにはもう漫才師としての実績もあったし、バカバカしいからとっとと辞めちゃった。2番目の相方も、おかみさんが病気だから相方がいなくて困っていたから助けたら、また子どもができちゃった。それもおかみさんの病気が治ったら、イチャモンをつけられて。人助けのためにやってるのに、恨みだけは来るの。

林:それはつらいですね……。だんだんおなかが大きくなっていくとき、不安でした?

内海:そう思ってもしょうがないから。産むのも育てるのも、全部自分でやりましたよ。

週刊朝日  2017年5月5-12日号より抜粋