夫:制作に半年以上かかったんですよ。

妻:悩んでいましたね。

夫:ね。いっぱい描いた。

妻:何パターンか描いていましたもんね。

夫:大嫌いって、私に振り向いてくれって注意を引こうとする意味もあるでしょ。女性は、素直な言葉より、こういう言い方のほうが相手に言いやすいのかなと思って。最後まで読んでいくと、その気持ちがわかるようにしたんです。

妻:好きの反対語は嫌いじゃなくて、無関心だと言いますからね。

夫:嫌いっていうのは関心を持っているんですよ。それが好きに変わる可能性はあるんです。

妻:こういう言葉選びがうまいから、付き合う時もグッときましたね(笑)。

夫:言葉もそうだけど、イメージが大事だよなって思っていて。もともと絵本作家はイメージを描く仕事ですから。今回もそのイメージの延長で作りました。ほとんど、口説き文句みたいなものです。

妻:男性は、この本を女性に贈ってみるといいかもしれませんね。

夫:早速、あげましたけどね。

妻:はい、いただきました。今度は私がプレゼントしなきゃ。

週刊朝日  2017年3月31日号より抜粋