「音楽を持ち運ぶ」というコンセプトで世界の音楽シーンを一変させた「ウォークマン」。79年の新登場以来、84年にCD用「ディスクマン」、 92年にMD用録音再生機「MZ-1」と同再生専用機「MZ-2P」、そして98年には「DVDディスクマン」をリリース。2001年にアップルが、音楽配信サービスとシンクロする「iPod」を発売して牙城を切り崩されたが、盛り返しに成功。今も「ウォークマンA30シリーズ」を発売し、音楽ファンに愛用されている。

「スポーツ飲料ではなく健康飲料を!」。失われた汗の成分を手軽に補給できる新ジャンルドリンクとして「ポカリスエット」がデビューしたのは1980年。折しも大ブームとなっていたジョギングがヒントになった。1千を超える試作品、発売初年度のサンプリングは3千万本……。パイオニアが大ヒットするには膨大な汗が必要なのだ。

 誰もが一度は手にしたことがあるであろう「ファミリーコンピュータ」の歴史は83年に始まった。当時アーケードゲームで大人気の「ドンキーコング」が家庭で気軽に楽しめる高性能を持ち、次々に人気ソフトがリリースされたため、一気に世界ブランドに。後の「プレイステーション」「Xbox」の各シリーズに大きな影響を与え、この3月3日には第9世代と呼ばれる「Nintendo Switch」が発売予定だ。

 写真撮影の概念を大きく変え、誰もが簡単に楽しめるようになったのが86年デビューの「写ルンです」。1年後に発売された2代目にはフラッシュ内蔵タイプも加え、91年には水深3メートルまで撮影可能な「写ルンです 防水」もラインアップに。デジカメや携帯電話に主役は奪われたが、発売31年目の現在も販売中。

 パソコンやインターネットを身近な存在にしたパソコン用ソフト「ウィンドウズ95」が発売されたのは95年。それほどITの専門知識がなくても操作が始められ、インターネットはもちろん、プリンターやスキャナーといった周辺機器の接続も簡単、モニター画面上に各種アイコンやファイルを並べられる……。不具合に泣かされたユーザーは多かったが、それも今では笑い話だ。

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