ピフィラティスで見た目も若くなる? (※写真はイメージ)
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 年を重ねるほど尿漏れに悩む女性は多い。予防と改善の基本は体操だが、うまくできない人もいる。近年、より簡単にできる体操が誕生し、保険が使える刺激療法も登場したことで、治療の選択肢が広がっている。

 ひと言で尿漏れといっても、大きく3タイプに分けられる。咳やくしゃみ、ジャンプなど、おなかに力がかかった瞬間に漏れてしまう「腹圧性尿失禁」、膀胱の働きが過剰な“過活動膀胱”などが原因の「切迫性尿失禁」、両方が混ざった「混合性尿失禁」だ。

 腹圧性尿失禁は、日本では40歳以上の女性の約3人に1人が経験していると言われている。過活動膀胱は、尿が少ししかたまっていないのに強い尿意を感じたり、その結果、トイレまで我慢できずに漏らしたりすることをいう。自律神経の乱れや加齢などが原因だ。

 神奈川県在住の草野順子さん(仮名・54歳)は、2年前から尿漏れを経験するようになった。最初は風邪をひいてくしゃみをしたときなどに少量漏れる程度だったので、市販の吸水パッドを使用していた。しかし徐々に症状がひどくなり、1回に漏れる量が増えてきたので、LUNA骨盤底トータルサポートクリニックを受診した。

 同クリニック院長の関口由紀医師はまず、超音波検査、尿検査をして、腫瘍などの病気がないことを確認。

「草野さんは『小走りすると漏れる』というので、典型的な腹圧性尿失禁だろうと思い、ストレステストを実施しました」(関口医師)

 ストレステストとは、診察台に横たわり、咳をしたときに尿漏れするかどうかを確認するもの。草野さんはこのテストで尿漏れが確認されたので、腹圧性尿失禁と診断された。

 腹圧性尿失禁は、加齢によって骨盤底筋群がゆるむことが原因だ。膀胱や子宮、直腸などを下から支える筋肉で、尿道や膣、肛門を締める働きも担うため、ここがゆるむと頻尿や尿漏れが起こる。

「腹圧性尿失禁の場合、最初はこの骨盤底筋群を鍛える骨盤底筋トレーニングを指導します」(同)

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