レプロ社長の霊言映像開示から告白本出版まで一貫しているのは、幸福の科学が芸能プロダクションから信徒を駆け込み寺的に保護したというストーリーだ。
しかし、レプロは本についてコメントを出し、不快感を表明している。
「代理人間で協議を続けているこのタイミングで清水富美加の書籍が出版されたことについては、誠に不可解であると言わざるを得ません」
事務所関係者がこう打ち明ける。
「富美加が幸福の科学に入信していたのは事務所としては青天の霹靂(へきれき)だった。天真爛漫で少し不思議な子だったけど頭の回転が速くてやる気のある子だという印象だった。能年の独立騒動以降、富美加への期待がかかって仕事量が増えたけど、前向きに取り組んでくれていた。売れたいという向上心も彼女にはあった。うちが月5万しか給与を払っていないというのは、違う。住居や衣装代、交通費は出るから生活に困るなんてことはない。若手タレントらとのトラブルで事務所の価値を落としたくはないので、早く収束したいのですが……」
清水富美加は同教団の信仰を持つ両親の下に3人姉妹の末っ子として生まれ、祖父を含め一家全員が信者という環境で育った。2011年に親が離婚し、父親に引き取られたが、父親の会社は事業の失敗で数千万円の負債を背負い16年11月に破産。ただし、2人の姉や母親も含め家族関係は良好だという。テレビ各局やスポーツ紙では清水富美加に対し、「身勝手すぎる」などと非難が集中しているが、一連の不可解な行動の背景には、2世信者として育った家庭環境が大きいのではないか、との指摘もある。
幸福の科学に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏は今回の騒動をこう分析する。
「『事務所と揉めて出家』というのは教団側が示しているストーリーで、実際は違うのではないか。大川氏は気に入った職員に法名を与えているとされ、職員が法名を授かることはさほど珍しいことではないが、実質的に職員として働き始めてもいない一信者にいきなり法名を与えるというのはきわめて異例です。大川氏のお気に入りになったから出家させ、事務所とのトラブルは後づけのようにもみえる」
清水富美加の言動について、元信者の男性も違和感をこう口にする。
「あまりに唐突に出家と言いだしたところに違和感を持ちます。逃避のために出家することは今までの幸福の科学ではありえないパターン。教義からも矛盾する形で無理やり出家させた大川総裁については芸能界に影響を持ちたいのかなという野心を感じました」