「カットかかった瞬間に、みんな興奮して、“うわーっ!”って叫んでました。誰からも見られていない中で本気で演技をしているうちに、芝居と現実の境目がなくなって、みんないつも遊んでいる仲間、みたいな感覚に陥って。あのときだけは、めちゃくちゃ楽しかったです(笑)」
歌手の一青窈さんの姉である一青妙さんのエッセーをベースに、台湾と日本を故郷に持つ家族の物語を描いた映画「ママ、ごはんまだ?」では、妙さんの役を演じた。映画に描かれるテーマは、食を通じて見えてくる母から娘への愛である。
「食をテーマにした映画がもともと好きだったので、オファーが来たときは、“なんて私好みの映画なんだろう!”と思いました(笑)」
自分のことを話すより、映画の話をするときのほうが生き生きする。彼女の、芝居に対する愛は深い。
※週刊朝日 2017年2月10日号