その他にも便利なサイトがある。不動産メディア事業を展開する「シースタイル」(東京都)が運営する不動産比較査定サイト「スマイスター」だ。
川合大無社長は語る。
「利用者の平均年齢は53歳。売り主は野村や東急リバブルなど大手含め最大6社の査定が一括で受けられる利点があります。面積や間取り、築年数などを網羅し、比較検討ができて、金額の妥当性がわかる仕組み。査定によっては15%の違いが出る例もある」
都内のある仲介業者はこう業界の実態を語った。
「裏データを多く持っている仲介業者を探すのも手です。新駅建設やスーパーマーケットの出店情報を提示できれば価格に影響を与えられる。普通の業者は査定の際、築年数と耐用年数(木造か鉄筋コンクリート造りか)しか見ていない。実に怠慢な査定です」
個人で買い手を見つけ、売却する手もあるという。
そうすれば、売り手、買い手双方で100万円単位の手数料を浮かすことができるのだ。
「あえて専属専任媒介契約を結ばず、厳選した2~3社の全てと一般媒介契約を結ぶ手法もありです。最も早く売買契約を取りまとめた業者だけが手数料を得られるので、早く買い手を見つけようというインセンティブが高まる。専属専任媒介契約にしても、契約期間が過ぎた後は契約更新せず他業者に替える意向を事前に告げると、業者は3カ月で結果を出そうと遮二無二なる」(同)
不動産コンサルタントの岡本郁雄氏によれば、日銀がマイナス金利政策を転換していない今がまさに“売り時”だという。(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 2017年1月6-13日号より抜粋