プロゴルファーの丸山茂樹氏が、賞金王になった池田勇太選手、1年3カ月ぶりに競技に復帰したタイガー・ウッズ選手について語る。
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国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(12月1~4日、東京よみうりCC)で池田勇太(30)が2位に入り、ツアー参戦9年目で初の賞金王に輝きました。勇太、おめでとう!
幕切れが今シーズン6度目の2位で、単独最多勝での賞金王とはいきませんでした。勇太は「達成感はあるけど、100点満点とはほど遠い。“中の上”ですかね」とコメントしてます。それでもね、8月以降のゴルフってのは、すさまじい集中力と忍耐力と、それから賞金王をとりたいという思いが毎試合のように出てました。そういう強い思いが、勇太を賞金王へと導いたのかなという印象ですね。
今年の勇太はもう、車でいえばフルモデルチェンジですよね。クラブとウェアの契約を一新して、9月からは7年半も一緒だったキャディーとの契約も解消して。フルモデルチェンジで大ヒットした車じゃないけど、こういう年に念願の賞金王になるんですからね。立派なもんですよ。
クラブを替えた年ってのは、うまくいく場合と逆の場合の両極端に出ることが多いです。勇太も最初は手探り状態でしたけど、夏ごろにクラブがフィットしてきて、そこからは毎試合のように優勝争いに顔を出してました。誰にも負けない賞金王への執着心というか、自分の明確なモチベーションがそうさせたんじゃないかと思いますけどね。絶対こうなる、という強い意識というか。
キャディーの件についても大きな転機になったと思います。そのうちまた、いい相方が見つかると思うんですが、今年を乗り切れたっていうのが大きいですよね。僕は勇太から詳しいことを聞いたわけじゃないから、どうしてそうなったのかは分かりませんけどね。
夏のリオデジャネイロ・オリンピックには、僕は日本代表のヘッドコーチ、勇太が選手という関係で参加しました。あのときに、日の丸を背負う意味の大きさを、想像以上に実感してると話してくれました。そして4年後の東京オリンピックへの気持ちも、分かち合えたと思ってます。頼もしいプレーをしてくれましたしね。そのまま日本ツアーでもやり抜きました。30歳で賞金王になり、来シーズンからまた、勇太の新たな挑戦が始まりますね。
タイガーは通算4アンダーの15位でした。彼のスイングを見てますと、何試合か続いたときが問題だと思うんです。久しぶりに出たんで、なんとなく気負わずにいけたけど、試合が続いていくと、どうしても嫌なイメージがわいてくるので。ジャック・ニクラス(76)がコメントしてた通りで、タイガーのパフォーマンスが安定してくるのには、しばらく時間がかかるでしょうね。彼のことだから、きっと何かすごいことを成し遂げてくれるとは思うんですけどね。
※週刊朝日 2016年12月23日号
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