崔氏も朴大統領の側近も「朴大統領の指示」と未必の故意を主張し、海外にいた崔氏と不正を共有した人物らも続々と帰国し逮捕されており、「捜査の対処法を指揮する人物が背後にいる。それが何者かにも注目が集まっている」(同前)。

 世論の逆風は強いが、しかし、実際に辞任となれば、60日以内に大統領選挙となり、準備が整っていない与野党とも避けたいともいわれ、「弾劾は非現実的で、現実的なシナリオは死に体の大統領が国会が推薦する首相に全権移譲して第一線から退くこと」(同前)。

 現在、朴大統領最大の疑惑といわれるセウォル号事故の空白の7時間に焦点が集まっており、「これが暴かれればどんな事態になるのか予測がつかない」(同前)ともいわれる。

 果たして、12月に予定された日中韓首脳会談に朴大統領は顔を見せるのか。

 親友を失い世論からも見放された新たな「孤独」の中、朴大統領は今何を思い、そして、この先どう決断するのか。そして、トランプの米国、国政混乱の韓国、核暴走の金正恩の北朝鮮、そして皇帝となった習近平の中国と、日本はどう向き合っていくのか。

週刊朝日  2016年11月25日号