昨年の秋から“芝居のこと”で、目まぐるしい日々を送っている佐々木希さん。
18歳で上京し、モデルとしてキャリアをスタートさせた。芝居に歌にバラエティーにと、様々なことに挑戦したが、24歳のとき、「仕事は、お芝居とモデルに絞りたい」と、自ら事務所に申し出た。一昨年、竹中直人さんとドラマで共演したとき、何気ない会話の中で、「いつか舞台もやってみたい」と話すと、「じゃあ、来年の舞台やってみる?」と、竹中さんは言った。翌日、事務所宛てに正式に出演のオファーがあり、昨年、彼女はついに初舞台を踏んだ。
「稽古中は、寝ている間も舞台のことで頭がいっぱいで、全然熟睡できませんでした。体力的にはしんどかったけれど、本番を迎えてみると、ワンステージ終わるごとに“気持ちいい”って思えるようになって……」
地方公演も含め、無事、千秋楽まで走り終えると、すぐ韓国語の勉強に取りかかった。アジアの人気グループSUPER JUNIORのボーカル、イェソンさんとダブル主演した映画「いきなり先生になったボクが彼女に恋をした」のためだった。シングルマザーが、韓国語の講師と恋に落ちるストーリーだ。
「物語の冒頭では話せなかった韓国語を、最後には話せるようになっているのですが、一旦、発音などをある程度マスターしてしまうと、今度は最初のしゃべれない感じを出すことが難しくて(苦笑)。舞台でも映画でも、何か新しいことに取り組むと、苦労したり努力したりした後に、自分が変わっていく実感があって面白いです。舞台のときもそうだったんですけど、この映画も、最後のほうは、“もう少し撮影していたいな”と思いました。終わったら、当分韓国語を話すことはないだろうから、寂しいなって」
芝居の技術的なことには、まだまだ自信はない。語学の習得でも、体力作りでも、事前の準備は怠らないが、いまだに自分の出ている作品を見ると、反省点ばかりが目についてしまう。今のところ、佐々木さんにとっては、「自然だった」と言われるのが最高の褒め言葉なんだとか。