都政新聞の平田邦彦主筆はこう読み解く。
「そう易々と自民党本部の懐柔策には応じない、というメッセージではないか」
自民党とつかず離れずを演出する、なかなかの「曲者」ぶり。綱渡りの危うさはあるものの、本誌は政治力に5点満点中、「4点」をつけた。
▼発信・パフォーマンス力:5
▼行動力・リーダーシップ:4
この3カ月で目立ったのは、なんといっても小池氏の行動力と、発信力の強さだろう。
8月末には築地市場の移転延期を発表。その後、「盛り土」問題や土壌汚染の問題が次々と噴出し、ワイドショーが連日、「小池劇場」を追いかけ、小池氏は会見を「生中継が始まるきっかりに始めます」というサービスぶり。築地の水産仲卸業者で移転慎重派の関戸富雄氏はこう語る。
「小池氏は以前の著書で築地を現地で再整備すべきと書いていて、この問題にかなりの知識があったようですね。『都民ファースト』の実践として、大きな実績になったと思います」
盛り土問題では現職副知事ら約10人の責任を追及する予定だ。また、東京五輪の施設についても大胆な一手を打ち出した。9月末、ボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」など建設予定の3施設を、計画中止も含め抜本的に見直すとぶち上げ、かつてのボス、森喜朗大会組織委員会会長と対峙してみせた。
10月15日には宮城県が誘致する「長沼ボート場」を代替地候補として視察。自らモーターボートに乗り込むド派手なパフォーマンスを演じ、18日には、来日したIOCのバッハ会長との会談を「フルオープン」とし、テレビカメラの前で行う荒業も。型破りな演出の数々から、発信・パフォーマンス力は「5点満点」とした。
だが、行動力・リーダーシップは「4点」。以下の声を考慮して減点となった。
「小池氏は何でも調査チームの言うことを聞いて決めてしまう。都庁職員は『ドンの仲間』と思われているのか、まったく信用されていない。これではついていく部下は出てきません。『舛添要一前知事の方が職員の報告をよく聞いて的確な指示を出してくれた。小池氏より良かった』と言う職員もいます」(都庁関係者)(本誌・小泉耕平、上田耕司)
※週刊朝日 2016月11月11日号