茨城は、Q1の回答が全国で最も低かった。投資に対する意欲が強いのか。
「『水戸っぽ』という言葉があり、理屈っぽい・怒りっぽい・骨っぽい気質です。直情径行で、気長に待つのが性に合わない県民性の表れでは」(岩中氏)
Q3「横並び行動バイアス」は、長野が43位。わが道を行く気風かもしれない。金融知識は7位と高い。
「教育熱心で、議論好きの人が多い県。他人がどう行動しようとも、自分の培った知識や情報をもとに判断する気質で、横並び意識が低いんです」(岩中氏)
同じ43位には東京も入った。矢野氏は「納得の結果だ」としてこう述べる。
「東京は京都と並び、プライドの高い人が多い。東京は多くの人が働き、住む地域ですが、広くて安い家を買える埼玉や千葉など近郊へ移る人も多い。都心にとどまり続けるのはプライドの高さかもしれません」
富山は消費者ローンを利用する人の比率が全国で最低。岩中氏は「豊かで持ち家率も高く、教育熱心な県。ただ、金融トラブル経験者の比率の高さが3位なのは、不思議ですね」。
栃木はQ2「近視眼的行動バイアス」が4位。矢野氏は「攻めの群馬、守りの栃木と言われます。東北に近く、むちゃなお金の使い方をしない風土。1年後を待たずに今もらおうとの気質なのでは」と話す。
ちなみに、矢野氏は冒頭の山梨の結果について、岩中氏と同じく「無尽」の影響力を指摘した。
「ゴルフの無尽など、今は金銭的な結びつきばかりではないが、影響は依然大きい。居酒屋に『無尽歓迎』と書かれ、選挙の当落は入っている無尽の数で決まると言われるほどです」
全国最下位の金融知識は、郷土を愛する人の結びつきの裏返しかもしれない。
※週刊朝日 2016年9月16日号