舞台、映画、ドラマと、活躍を続ける妻・熊谷真実さんは、若いころに結婚と離婚を経験。それから30年を経て、自分でも「まさかと思った」という再婚相手の書道家・中澤希水(きすい)さんは、18歳年下だった。芸能ニュースでも話題になった年の差カップルも、結婚から約4年。出会いは“お稽古”だったという。
* * *
夫:最初はカルチャーセンターのパンフレットで僕の講座を見つけたんだよね。
妻:でも、そのクラスが実施されないことになって。直接問い合わせてみたら、教室もやっていることがわかった。
夫:電話の彼女の声に聞き覚えがあったんです。熊谷だって言うけど、ひょっとして、俳優の……?って思ってたら、やっぱり本人だった。
妻:彼のことは、素敵な人だとは思いました。けど、年が離れてるから「彼氏枠」には入らないな、と。
夫:最初の1年は、普通に、生徒さんだったね。
妻:あるとき、教室で二人きりだったことがあるんですよ。で、私、沈黙に耐えきれなくなりまして。ひたすら墨と筆に向き合って、静かなBGMが延々と流れる、あの空間! ああ、もうだめー!
夫:あはは。
妻:「先生! 今日はお話ししませんか?」と。
夫:いろんな話をしたね。
妻:そのとき初めて、ご両親が書家だとか、彼のことをいろいろ聞きまして。趣味はカラオケ、とかね。
夫:ストレス発散にたまに仲間と行くんです。
妻:今度一緒に行きましょうよ、って話になった。
夫:そのころ、僕にはそろそろ結婚を考えようっていう彼女がいたんです。
妻:私のお芝居にも一緒に来てくれたもんね。
夫:それが……震災の年の秋にふられまして。ちょうど、断捨離とかライフスタイル本が流行(はや)っていた時期だったので「シンプルに生きる本を読んでたら、彼女から断捨離されました」って冗談半分でツイッターに書いたんです。
妻:それを私がたまたま見ていて。メールしたのね。
夫:仲間からは、どうしたの? 大丈夫?っていうメッセージやメールが来たんですけど、彼女からは「やった、ご飯一緒に行きやすくなったね!」(笑)。