走れるようになったら、まずは自宅の近くにある山などに挑戦。体力や筋力に自信がついてきたら、レースに出るのも悪くない。意外だが、国内では約150以上ものトレイルランの大会、レースが開催されている。そのなかには初心者向けの10キロ、20キロのショートコースもある。
完走した達成感はもちろん、競技人口が少ないので、参加者と顔なじみになり、そこで新しい仲間ができるというワクワクもある。
「プロのランナーは勝つことが目的ですから、マラソンと同様一分一秒を争います。ですが、初心者は時間をかけて、自然を満喫しながら走るといいと思います」(同)
装備や必要な道具は、走る山道の難易度によって異なるが、最低でもシューズとウェアは欲しい。あとは水や食料、着替え、携帯電話などを入れるバックパックがあるとなおいい。山で何かあってもすべて責任は自分にある。万が一のときの救急セット、防寒具なども必要だろう。平均すると、衣類や装具などをある程度そろえると、4万円弱ぐらいかかる。
それからトレイルを始める人が必ず心得ておかなければならないのは、マナー。トレイルランで使う道は、当然だが登山者も利用する。多くのランナーが実践しているように、追い越す際のマナーやエチケットを守るのは大前提だ。専門書などでしっかり知識を入れておくべきだろう。
過去に山田さんの参加したレースには、92歳で完走した“スーパーおじいちゃんランナー”もいる。生涯スポーツとしても十分楽しめるトレイルラン。風薫る季節になった。週末から始めてみてはいかがだろう。
※週刊朝日 2016年6月10日号より抜粋