よりハイリスク・ハイリターンを狙うなら、レバレッジETFという手もある。ファイナンシャルリサーチの深野康彦氏が解説する。
「日経平均が100円上がったら倍の200円のキャピタルゲインが得られる、レバレッジをかけたETFを一般にレバレッジETFと言います。なかでも野村アセットマネジメントの『NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信』は、常に東証の売買代金上位に入る人気商品。円高で株価が下がることを見越して、これを空売りするのは有効でしょう。信用取引に抵抗がある人には、同じくレバレッジETFのなかでもインバース型(ベア型)といって、日経平均などと真逆の値動きをするETFがお薦めです」
代表的なのは「NEXTFUNDS日経ダブルインバース上場投信」や「SAMTOPIXベア2倍上場投信」など。日経平均やTOPIXが10%下がったら、20%値上がりする商品だ。
さらに、ハイリターンを狙うなら、「SBI日本株3.7ベア」や「野村日本株3.5倍ベア」という投資信託もある。文字どおり3.7倍、3.5倍のレバレッジがかかっているため、さらに大きなリターンが見込める。実際、SBI日本株3.7ベアのここ1カ月のリターンは25%。昨年末から比較すると63%もの値上がりを見せているのだ。
ストレートに通貨に投資するという手も。
「『野村ブル・ベア セレクト6(円高ドル安トレンド6)』は、文字どおり円高ドル安が進むほど値上がりする投信。昨今の円高はリスク回避の動きとして円に資金が集まってきている側面もあるので、新興市場からの資金流出を見越して『新興国為替ファンド韓国ウォン売り』といった新興国通貨のショートでリターンを狙う投信もおもしろいでしょう」(深野氏)
一方で、ドル安に注目するなら「NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ベア ETN」というETN(上場投資証券)も興味深い。原油相場が10%下がれば、10%値上がりする商品だ。
「一般に、ドルと原油価格は逆相関関係にあると言われていましたが、新興国の需要縮小で近年はドルが下げれば原油価格も下げる傾向にある。1カ月で50%も反発している直近の原油相場は戻り売りのチャンスと考えられるので、狙い目」(同)
円高=株安と悲観する前に、円高でも儲かる金融商品をチェックしておきたい。
※週刊朝日 2016年5月6-13日号より抜粋