100円ショップ「セリア」店内 (c)朝日新聞社
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 4月に入ってわずか1週間で1ドル=107円台まで急激に円高が進んだ。当然、株式市場も大混乱。一時的な反発を見せたが、いまだ「投機筋のドル売りポジションは過去最大規模」(証券関係者)。さらなる円高の進展が予想されるなかで、投資家がリターンを狙う術とは……?

 昨年中ごろからいち早く2016年の円高を予測していたみずほ銀行国際為替部チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は来年には1ドル=95円台もありえると予想する。

「通貨の相対的な実力を測る実質実効為替レートで見ると、円相場は長期平均(過去20年平均)から14~15%も下方に乖離しています。それだけ円が“割安”の状態ということです」(同)

 この乖離率は、1ドル=300円台だった1970年代に匹敵する水準だという。

「また、経済協力開発機構(OECD)や世界銀行が示す購買力平価(自国通貨と外国通貨の購買力から算出した為替レート)は105円前後で、歴史的にドル/円の上値目処として機能してきた企業物価ベースの購買力平価が100円前後。これらを総合して考えると今後1年で10%程度は変動して1ドル=100円に、長期的には95円台も見えてきます」(同)

 唐鎌氏の予想どおり円高が進めば日本株には売り圧力が高まる。為替同様、10%程度の下げは覚悟しておいたほうがいい。

 では、そんな円高相場では、どんな銘柄に注目したらいいのか? SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏は「輸入企業に注目するのがセオリー」と話す。

「電力各社は火力発電用の液化天然ガスの仕入れコストが低下し、食品メーカーも原材料の輸入コストが安くなるので、円高が追い風になります。ただ、大手企業の株価は日経平均の下げと共に売り込まれやすい。狙うなら中小型株でしょう。中国の工場と契約して雑貨類を製造・販売しているファブレスメーカーのトランザクションはエコバッグや電子タバコが好調。100円ショップで業界2位のセリアも中国からの仕入れコストが低下し、業績が上振れる可能性が出てきます」

 理美容機器や業務用化粧品の専門商社であるビューティガレージも同様に、中国からの仕入れコストが低下するため、利益率の上昇が見込まれるという。雛からの一貫生産体制に特徴を持つ北海道の養鶏大手ホクリヨウも飼料の仕入れコスト低下が図れる可能性がある。北海道新幹線開業で鶏卵、畜肉販売に追い風が吹いており、業績予想も上振れる可能性が濃厚という。一方で、中国から人工竹木フェンスなどを大量に仕入れているガーデニング用品取扱高国内トップのタカショーは、住宅着工件数の伸び悩みから前1月期は減益決算。今期の減配も発表して株価が急落したが、円高に伴い採算性が向上すれば、株価の反発余地は大。安値圏にあるだけに買いごろといえるかもしれない。

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