「地元は、池田氏が共産党を含めて勝手連的な統一候補、反安倍で一気に盛り上がってきた。和田氏が元商社勤務で国際感覚と上から目線な演説もこちらにプラス。だが、池田氏は無所属候補なので政党のビラ、選挙カーが使えず、手応えが摑みにくい」(民進党幹部)
政治評論家の浅川博忠氏はこう言う。
「自民が補選で圧勝すれば衆参ダブル選になるが、競って勝つならダブルはないのではないか。解散の最終判断をする5月下旬には景気も怪しくなっているかもしれない。衆院の議席を減らすリスクもあるし、自民党内では衆院選は任期満了(2018年12月)近くになるとの見方が広がっています」
ただ、野党の中には、補選の勝敗にかかわらず、安倍晋三首相が衆参ダブル選に踏み切るのではないかとの警戒感が消えていない。民進党のベテラン秘書がこう話す。
「07年に持病で退陣した安倍首相にとって、憲法改正は悲願。薬で病気を押さえ込んでいるとはいえ、衆院解散のカードを1年、2年と先送りする余裕はない。解散に打って出る首相は迫力が違う。解散があるという前提で準備しています」
安倍首相は17日に北海道入りを予定していたが、熊本地震対応で急遽取りやめた。腹は決まっているのか。(本誌取材班)
※週刊朝日 2016年4月29日号