かつて美川憲一のヒット曲「柳ヶ瀬ブルース」で注目された、岐阜市・柳ケ瀬。2008年から柳ケ瀬商店街の魅力を発信してきたのが、人魚の「やなな」だ。普段は身長8センチだが、イベントの際などには特産の枝豆を食べて20倍の大きさ(約160センチ)になり「実体化」する。
顔はカワイイが素材は段ボール、ボディーは「そのまま」。超コスパのいいキャラではある。
「予算1万円でできる範囲でという条件だったんです。頭は柳ケ瀬商店街アーケードのステンドグラス、胸当ては枝豆を表しています」
と、やななのデザインを担当した音楽家の小島勇司さんは言う。小島さんは、やななのイメージソングも作っている。
そのゆるカワな感じがウケ、アイドル的に人気も上昇。追っかけも登場し、10年の第1回ゆるキャラグランプリでは、3位という好成績も残している。
「ハコやモノでなく、人の魅力で、大都市と対等に戦うことができる、それが証明できたと思います。やなながきっかけで、柳ケ瀬商店街に出店してくださった方までいらっしゃいます」
と、やななの運営を行う地域活性化団体、ひとひとの会代表の佐藤徳昭さん。
しかし12年夏、人気絶頂の中、やななは電撃引退を発表する。佐藤さんは言う。