A:「いろいろな分け方がありますが、最近注目されているのが『うつ度チェック簡易抑うつ症状尺度』(QIDS)です。患者へのアンケートで、実際の症状に点数をつけ、その合計点数で客観的に重症度を測ります。その他、寝込んでいて会社に行けないレベルか(社会生活への影響)、死にたい気持ちが強いかなどを医師が診て総合的に判断します。
抗うつ薬を服用中は、薬の効果をモニタリングすることも大切です。その際も、重症度の変化を確認します。患者さんの自覚に加えて、QIDSで客観的に測るのがいちばんよいでしょう。
また、患者の薬への不満を聞くことも大切です。半年で半分以上の人が飲まなくなる、あるいは病院へ行かなくなります。吐き気や眠気などの副作用は、使用開始から2週間程度は出る可能性がありますが、なじんでくると治まります。事前にこうした説明をすることも大切です」(渡邊医師)
Q:若年層の抗うつ薬の使用の注意点は?
A:「気をつけたいのは、25歳未満の若い年齢です。そのくらいの年齢ですと、双極性障害に変化する可能性があるからです。双極性障害の一番発症しやすい年代が20代前後。双極性障害の3分の2がうつ病の症状から始まるので、将来的に躁状態が出て、双極性障害になる可能性が高い。双極性障害の患者が抗うつ薬を使うと躁状態になるので、慎重に使用する必要があります」(山田医師)
※週刊朝日 2016年4月15日号