「1年分前払いしてからも、これまでと同じように毎月払うつもりで、同じ額を貯金してください。次の年はその貯金の中から1年分の前払いをします。差額分を貯金できることになりますよ」(荻原さん)

 同様に、生命保険や火災保険、NHK受信料、通勤・通学定期券などもまとめ払いで割安になるものが多い。また、携帯電話やスマートフォンも、契約プランの見直しで安くできる場合がある。

 ほかにも4月から始まる電力自由化では、電力会社を家庭で選ぶことができるようになる。これまでよりも安くなる電力会社を選んでみてはどうか。また、長期金利が下がっているため、金利が安いところに住宅ローンを借り換えるのもいいだろう。

 昨年から続いていた値上げだが、今後は少し落ち着くかもしれない。

 政府は3月23日に国内の景気判断を引き下げ、個人消費も7カ月ぶりに判断を下方修正した。市場関係者は「これから値上げは一段落する」と予測する。

「物価モニター調査では、ここのところ値上げの幅が小さくなってきています。来春の消費増税を見込んで、今後は、値上げよりも値下げが増えていくと見ています」(市場関係者)

 外食産業では、昨年までは1品当たりの価格を引き上げていたが、今後は量を減らして価格が安くなるメニューを増やすなどして、値上げは一段落すると見られている。

 来春の消費増税を控え、値上げを乗り切るコツを身に着けてはどうか。(本誌・長倉克枝)

週刊朝日 2016年4月8日号より抜粋