映画にドラマと女優として活躍し続ける麻生久美子さん。しかし、作家・林真理子さんとの対談では、思わぬ本音が出てしまったようです。
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林:麻生さんといえば映画というイメージですが、今度は舞台(「同じ夢」)に出演されるんですね。舞台は何作目ですか。
麻生:これで4作目です。3年くらい前、今回作・演出の赤堀雅秋さん、共演する光石研さん、大森南朋さん、田中哲司さんがご一緒のとき、田中さんが私に電話をくださいまして。「このメンバーで舞台をやりたいと話してて、楽しい舞台にするからそのときは一緒にやろうよ」って。
林:まあ、女優冥利に尽きますね。今をときめく方々から誘われて。
麻生:はい、うれしかったです。その場で「やります」ってすぐに返事をしてしまいました。それが今回の「同じ夢」につながって。
林:俳優さんって、舞台を一回やるとやみつきになると聞きますが、やっぱり楽しいですか。
麻生:楽しくないです。あ、すいません、正直に言っちゃいました(笑)。苦しいです。修業の場です。私、足りない部分が多すぎるから、今の自分には舞台が必要と思っているんです。いつか「舞台が楽しい」と言える日が来ればと思って続けています。
林:そうなんですか。この舞台、台本はまだできてないんですって?(編集部注・この対談は12月中旬に行われました)
麻生:そうなんです。どんな役かもわからなくて、ノーヒントです。
林:でも、引き受けちゃったわけですね。
麻生:引き受けちゃいました(笑)。
林:これから台本をもらって、セリフはどのくらいで覚えるんですか。
麻生:全部覚えるのは稽古の半ばぐらいですかね。台本が完成しない段階で稽古に入ることも多いので、いただいたものから覚えていきます。
林:稽古に入るとき、台本持っていてもいいんですね。
麻生:いいんですが、私は持たないようにしています。台本見ながらお芝居をするというのができなくて。ベテランの役者さんは見ながらちゃんとやってらっしゃいますから、すごい技術だと思います。
※週刊朝日 2016年2月5日号より抜粋