(c)カトリーヌあやこ
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 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「SICKS~みんながみんな、何かの病気~」(テレビ東京系 金曜深夜24:52~)を、小劇場的な世界観で笑いも感動もある番組だとこう評する。

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 最初は、コント番組だと思っていた。現代ならではの病に侵されている人々を笑う、いろいろな場面。

 AV女優に恋をしながらも、「彼女は処女だ!」と言い張る男(オードリー・若林正恭)。研究発表のスライドに、うっかりエロ画像を映写してしまい、「もうおしまいだー!」と開き直って、自らエロファイルを解説し始める天才医師(アンガールズ・田中卓志)。上から目線で、中華料理屋のおやじに無茶なアドバイスをするグルメブロガー(オードリー・春日俊彰)など、そんなお笑い勢の中、最もインパクトがあったのは、清水富美加(「まれ」の一子役)と中島早貴(アイドルグループ℃-ute[キュート])によるコント「腐った友情」。

 同人作家マユ(清水)とリコ(中島)、この表情、独特の動きが腐女子そのものなのだ。ネット用語をてんこ盛りにした膨大なセリフ、そして光の速さで消えていく用語解説テロップ。だいたいマユが何か(声優の結婚とか)にキレて、「ちっくしょおおお!」と、ゲスい復讐を計画。リコが「それやったら、ウチらおしまいじゃない?」と、ぐうの音も出ない正論を吐き、「百理ある(一理あるの百倍)」と、マユが納得する流れ。

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