二人の放つ暑苦しいまでの熱量に爆笑していたら、あれ? ちょっと待った。これ、ただのコント番組じゃなかった。第3回からそれぞれのコントのキャラが垣根を越えて交わりはじめ、これが独立したコントではなく、ひとつのストーリーの一場面だったことが明らかになっていく。

 やがて物語は、「シックス」という薬のカプセルをめぐるサスペンス色を帯び、第5回では、グルメブロガーの春日が、人造人間(薬を生成するロボット)であることが判明、なんだそりゃ。陰謀による致死性ウイルスの蔓延という国家の危機に、「世の中救ってやんよ!」と、立ち上がる同人作家マユ&リコ!……って、あれよあれよと、コントが世界規模の話に転がっていくさまは、まさに小劇場の舞台のごとし。

 すっかりコントだと思っていたAV女優との純愛や、マユ&リコの腐った友情が、最後にはちょっと感動しちゃう「いい話」に見えてきて、これまた爆笑。こんな素材入れて大丈夫?と、けげんに思ってたラーメンが、食べてみたらめっちゃうまかった!みたいな、得した気分をありがとう。

週刊朝日  2016年1月15日号

暮らしとモノ班 for promotion
おうちで気楽にできる!50代からのゆる筋トレグッズ