
6歳年下の妻・白坂紀子さんを「この子はね」と愛おしそうに語る俳優の志垣太郎さん。仲間内でも「カタい」と有名だった白坂さんが、破滅型と思えた志垣さんを選んだ決め手とは?
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妻:意外にね、思ったより普通の人だったの。
夫:そんなにイメージ悪かった?
妻:プレイボーイ的な週刊誌ネタとか、毎日六本木でお酒を飲んで豪遊しているとか、いろいろ耳にするとね。
夫:僕は当時30歳。確かにそれまでにいろんなことがあった。
妻:会ったころはよく飲んだくれて「僕は3畳一間で、野垂れ死にするから、いいんだよ」みたいに言うんですよ。格好つけちゃって。
夫:僕が大学に入ったのはちょうど学生運動が終わったころ。時代の雰囲気もまだまだそういう感じですよ。役者はみんな頭でっかちで「女とイチャイチャするよりも男同士で論争!」。女の子はそういう男の姿を見て好きになる、みたいなね。
妻:私思ったの。絶対にこの人は短命に違いない。それで「なんとか体を助けてあげたいな」という気持ちになっちゃった。
夫:彼女はカタいと有名だったんです。実家暮らしで一人娘だし、デートなんてしないって。俺の友達もずいぶんこの子にモーションかけていたんだ。
妻:もういいわよ、そんな昔の話(笑)。
夫:いまだに「なんで俺だったのか」言ってくれないんですけどね。
妻:うーん、なんて言うんだろうな。飲んだくれだし、破滅型だと思ったけど、やっぱりどこか堅物のところがあったんですよね。大きく分けたときに同じ空間にいる人かな、とだんだん思えてきた。それにプロポーズの1週間くらい前に人間ドックに行ってくれてたんです。「何もないか確かめてから結婚しよう」って。やっぱりちゃんとしている人だなって思いました。
(聞き手・中村千晶)
※週刊朝日 2015年10月30日号より抜粋