来年に控えたリオデジャネイロ・オリンピックでゴルフ日本代表ヘッドコーチに丸山茂樹氏の就任が決定した。日本勢が好成績を収められるよう意気込みを明かす。
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さて、今回はご報告があります。わたくし丸山茂樹はこのたび、2016年リオデジャネイロ・オリンピックのゴルフ日本代表ヘッドコーチに就任することが決まりました! ほかの競技でいう「監督」ですね。
ゴルフはリオで112年ぶりに、オリンピック競技に復活します。そこで戦う日本代表に関われることはとっても光栄です。僕は、ゴルフのヘッドコーチは盛り上げ役だと思ってます。
というのもゴルフは個人のスポーツで、プロになると普段は個々にコーチやトレーナーをつけています。だから僕の役目としたら、試合の会場へ行って、選手から何か質問されたときに、しっかりプラスになるように答えられるかというのが大事です。多くを語らず、聞かれたことに明確に答えられる準備に徹します。
国際ゴルフ連盟のランキングシステムによって、14年7月14日~16年7月11日の五輪ランキングから、男女上位60人ずつがリオ五輪に出ます。本番のたった1カ月前に選手が決まるわけですから、ほかの競技のように定期的に代表合宿を組んだりはできません。だからもう、試合会場に関する疑問に答えてあげたら、あとは温かく見守るしかないんです。盛り上げて、盛り上げて、盛り上げて。これは僕の得意分野ですからね。
本番のコースを下見できるかどうかは分からないんですけど、芝への対応だったり、コースの癖だったり、選手の盲点になりそうな部分に気づいてあげて、アドバイスしたいです。
いざ本番になって日本の選手がプレーしてるのを見たら、アツい気持ちになるでしょうね。思い出すのはやっぱり1990年、日大3年のときに出た北京アジア大会です。
個人でも団体でも金メダルをとらせてもらって、表彰台の一番高いところに立ちました。いやあ、あそこに立ったときの気持ちの高ぶりは、僕の想像をはるかに超えてましたね。「こりゃすげえ」って。一生忘れられない思い出のひとつですよ。
だから日本の選手にも当然、その気持ちを味わってほしいですね。トッププロが集まってくるわけですから、僕のアジア大会とはケタ違いにレベルが高い。でも、4日間72ホールの一発勝負ですから、何が起こるか分からない。僕が02年に伊澤利光さんと組んでワールドカップで勝った前例もありますからね。十分にメダルのチャンスはあると思います!
最後になりましたが、ANAオープン(9月17~20日、札幌GC輪厚[わっつ])で石川遼(24)が日本ツアー12勝目を挙げました。ポッと帰国して勝つなんて、なかなかできることじゃない。遼は立派でした。そんな遼がやっとのことで米PGAツアーのシード権を得たんです。今回の優勝でまた、米ツアーのレベルの高さも分かってもらえたのではないでしょうか。
※週刊朝日 2015年10月9日号