武雄市図書館の問題が各地に飛び火し、波紋を広げている(※イメージ)
武雄市図書館の問題が各地に飛び火し、波紋を広げている(※イメージ)
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 本誌が報じた武雄市図書館の問題(9月11日号)が、神奈川県海老名市や愛知県小牧市など各地に飛び火し、波紋を広げている。

 TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に市の図書館運営を全国で初めて委託し注目を浴びた武雄市図書館(佐賀県)。お粗末な選書が露呈してCCCが「反省」をしたが、10月1日に改装オープンする海老名市立中央図書館でも、同様の問題が発覚し、懸念の声が上がっている。

 大型商業施設が立ち並ぶ海老名駅前から徒歩7分。駅近の一等地に、銀色に輝くおしゃれな建物がその図書館だ。CCCと図書館流通センター(TRC)の共同事業体に運営を委託し、総事業費は10億7900万円。年間利用者目標は100万人だという。

「1日快適に過ごせそうな図書館で活気があって楽しみです」(60代の女性市民)

 市民から期待され、順調なオープンと見られていたが、9月17・18日の海老名市議会は紛糾した。質疑に立った飯田英榮(ひでしげ)、山口良樹両市議は「選書がずさんだ」と追及。本誌を読んで「海老名も危ないのでは」と懸念した飯田市議が、市に選書リストの提出を請求し、リストが公表されたのだ。

 改装に合わせてテコ入れする約8300冊の選書リストによると、出版社が書店流通で販売する「アイミクロン メガネクロス」や、「『スピードサラダおろし』つき 1日分の野菜がラクラクレシピ」など、図書館で貸し出す書籍とは言い難いものが含まれているのだ。

「リストを見てあぜんとした。書籍でないものや、フライパンやタジン鍋などの付録がメインの書籍、20年ほど前に発行されて現在は休刊になっている女性誌などもリストに含まれ、なぜ海老名の図書館に必要なのか疑問。このままでは『CCCの在庫処分』と言われても仕方ない。市民の税金の使い方を正していかないとなりません」(飯田市議)

 どうやって書架にメガネクロスを並べて貸し出すのか。本誌記者もリストにあるメガネクロスを手にしたが、どこからどう見てもただのメガネクロスなのだ。

 さらに、海老名市の図書選定基準では、学習参考書やコミックなどが選定対象外だが、リストには『酒のほそ道』などのコミック本も多数見られるという。

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