「毘」の軍旗を掲げて、戦のときを待つ上杉軍。こども武者や女武者隊も、迫力ある戦いぶりを見せた(撮影/関口達朗)
「毘」の軍旗を掲げて、戦のときを待つ上杉軍。こども武者や女武者隊も、迫力ある戦いぶりを見せた(撮影/関口達朗)
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合戦の締めくくりには、花火が打ちあがった。「素晴らしい祭りでした。全国の戦国ファンのために今後も続けてほしい」(岡山県から馳せ参じた20代男性)(撮影/関口達朗)
合戦の締めくくりには、花火が打ちあがった。「素晴らしい祭りでした。全国の戦国ファンのために今後も続けてほしい」(岡山県から馳せ参じた20代男性)(撮影/関口達朗)

「ものども、ここが死に場所と心得よ。抜刀(ばっとう)!」

 武将の「えい、えい」の掛け声に応じ、軍勢が「おお」と鬨(とき)の声を上げる。戦国時代最大の激戦、「川中島の合戦」が、上杉謙信の故郷・新潟県上越市で再現された。闇夜の下、甲冑(かっちゅう)に身を包んだ300人の武者による、壮大な戦国絵巻が繰り広げられた。

 約450年前、越後の上杉軍と甲斐の武田信玄軍が、北信濃(現在の長野市)で対決した川中島の合戦。再現は、今年で90回目となる「謙信公祭」のイベントの一つで、地元市民のみならず、秋田から沖縄まで、全国から“戦国ファン”が参戦した。

 GACKT(ガクト)さん扮する上杉謙信が馬に乗って現れると、観客からは「お屋形様」の声援が飛ぶ。煙幕や松明(たいまつ)の明かり、和太鼓や法螺(ほら)貝の音などが、臨場感ある戦を演出した。

 合戦は両軍ともに勝利を宣言。全員揃って勝鬨(かちどき)を上げた。

週刊朝日 2015年9月11日号