昨年8月、家族が「世界最高齢男性になったよ」と言うと、「うん、うん」とうれしそうだったという(代表撮影) (c)朝日新聞社 @@写禁
昨年8月、家族が「世界最高齢男性になったよ」と言うと、「うん、うん」とうれしそうだったという(代表撮影) (c)朝日新聞社 @@写禁
この記事の写真をすべて見る

 世界最高齢男性としてギネス世界記録に認定されていた百井盛(ももい・さかり)さんが7月5日、都内の病院で慢性腎不全のため亡くなった。112歳だった。

 百井さんは6人の子どもをもうけたが、すでに3人が亡くなっている。さいたま市中央区にある百井さんの自宅で、長男(84)は父親の長寿の秘訣(ひけつ)についてこう話した。

「秘訣といっても特にないんですが、暴飲暴食をしないことですかね。規則正しい生活をしていました。若いころはたばこをスパスパ吸っていて、90歳くらいまでは、本数は減りましたが吸っていましたね」

 百井さんは福島県出身で、60年くらい前からさいたま市で暮らした。高校の教員になり、校長も務めた。百井さんの妻は14年前に他界し、12年前から都内の療養型病院で生活していたという。晩年、身の回りの世話をした三男(66)はこう話した。

「入院先では体力が衰えてできないことが年々増えたが、『イライラせず、淡々と過ごしている』とほめられた。ストレスなく自然体がよかったんだと思います」

 ここ数年間は耳が遠くなり、筆談が多かったという。

次のページ