平城遷都1300年祭のPRのため、せんとくんが登場したのは2008年。
今までに見たことのないインパクトあるルックスは当時、大きな話題を集めた。新聞・雑誌の掲載件数4587、テレビでの放送回数702、約1800種類のグッズが販売され、大きな経済効果も生んだ。くまモンやふなっしーなど、人気キャラたちの大先輩のような存在だ。
2015年のいま、せんとくんはどうしているのか。奈良県観光プロモーション課にたずねてみると、
「平城遷都1300年祭終了後の平成23年1月1日付で、『奈良県マスコットキャラクター』という役職に就任しました」
せんとくんは、奈良県の“職員”なのである。県の職員として、現在も行事やイベント、テレビ出演など精力的にこなし、奈良県の魅力を全国に発信している。
「イベントなどでの会場の盛り上がりに、知名度の高さと人気を実感します」
大物の風格、という感じだ。人気は根強い。
「今年もせんとくん宛ての年賀状が601枚届きました」
せんとくんにガールフレンドが出現したと、話題になったことがある。お相手は、奈良県葛城市にゆかりのある中将姫がモチーフの「蓮花ちゃん」。09年には葛城市の當麻寺で、「デート」企画が実現したこともある。その後、進展はあったのだろうか。
「せんとくんは、多くのキャラクターと仲良くさせていただいています。蓮花ちゃんも、仲良くしているお友達の一人です」
人気タレントの熱愛報道へのコメントのようである。
せんとくんの登場は、その後のいわゆる「キモカワ」系キャラ人気のきっかけのひとつになった。そんな“後輩”たちの活躍に、先輩・せんとくんから一言。
「たくさんのご当地キャラが誕生して、ともに地域のPRに活躍しているのは、とってもうれしいです」
これからも、県職員として、ますます活躍予定だそうだ。
(太田サトル)
※週刊朝日 2015年7月17日号