厚生局に情報開示請求して入手した、国の基準を満たす全国3980診療所の看取り実績を掲載している、週刊朝日ムック「自宅で看取るいいお医者さん」が好評だ。
国民の半数以上が「自宅で最期を迎えたい」と希望しながらも、実際には約8割の人が病院などの医療機関で亡くなっている。死亡した場所の割合は、かつてはほとんどが自宅だったが、1976年を境に医療機関に逆転され、今では自宅で亡くなる人は約1割に過ぎない。
病院の病床数ではすでに終末期の患者を受け入れられない状況のため、国は、病院の入院患者を減らし、より多くの人が在宅で医療を受けられるようにする「病院から在宅へ」の流れを促している。
今年6月の内閣官房の専門調査会では、2025年に全国の入院ベッド数を16万~20万床削減できるとする目標をかかげ、在宅医療を必要とする患者数が29万7千~33万7千人になると推計している。
在宅医療とは、定期的に患者の自宅に診察に行く「訪問診療」と、患者や家族の求めに応じて24時間365日いつでも駆けつける「往診」で成り立っている。
在宅医療は一部の病院でもおこなわれているが、ごくわずかで、そのほとんどが病床数19床以下の診療所でおこなわれている。24時間365日往診可能であることが条件の「在宅療養支援診療所」は1万3758ある(12年7月時点)。
在宅医療をおこなう診療所をどうやって探せばいいか? 多くの場合、入院中の病院の医師や相談窓口から、あるいは各自治体にある地域包括支援センターや担当のケアマネジャーから、地域の在宅医を紹介してもらうことになる。
※週刊朝日 2015年7月17日号より抜粋