インド人は認知症の発症率が少ないと言われている。その理由は、食生活にあるという。最新の報告や研究をもとに、その理由と食べ方を紹介する。
インド人のアルツハイマー病の発症率は、アメリカ人の約4分の1だという。
金沢大学の山田正仁教授の研究チームはカレースパイスに含まれる成分、クルクミンの認知症予防効果の研究をしている。
「クルクミンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用や抗炎症成分があることが以前から知られている。私たちはアルツハイマー病の脳の変化に特別な効果があるかどうか実験しました。まず試験管内でアルツハイマー病の脳の病変の状態を再現し、クルクミンがそれを阻止するかどうかを調べました」
クルクミンを「加えないもの」と、「加えたもの」を試験管で経過観察すると、加えたものではアミロイドβタンパクがくっついて固まるのを大幅に抑えた。
「ある種のポリフェノールにはアミロイドβタンパクが集まるのを抑えるだけでなく、すでにたくさん集まったものを分解する作用があることもわかりました」
またアルツハイマー病にしたモデルマウスにクルクミンを投与すると、オリゴマーと呼ばれるアミロイドβタンパクの固まりができにくくなることもわかった。
山田教授は、αシヌクレイン酸という異常タンパクが脳内にたまるレビー小体型認知症への効果も研究した。
「いずれも人では証明されていない」というが、実験ではクルクミンの成分に効果があるのは確かだ。
レシチンがクルクミンの吸収を促進するという研究者の報告もあるので、きな粉入りカレーもおすすめ。
※ 週刊朝日 2015年5月22日号