林:本当ですか。それは私立ですか。

松本:私立の小学校を退学になっちゃったので、公立の小学校に転校したんです。

林:中学、高校は開成ですよね。東大法学部で日本の若き財界人のトップとかいうと、鼻持ちならない人が多いじゃないですか。だけど、松本さんのこの雰囲気、私が知ってる感じだなと思ったら、お父さまもお母さまも講談社なんですね。

松本:そう。親父も東大なんですが、当時は東大を出て講談社に行くと全員役員になったらしいんです。でも、若いときに社食で天皇制批判をしたらしいんですよ。それで社長室に呼ばれて、「おまえ、天皇制批判したのか」って聞かれて、「してません」と言えば済むところを天皇制批判をリピートしたんです。それで結局、ヒラ社員で終わりました(笑)。

林:あ、それでですね。私、講談社の人に「松本さんのご両親、講談社らしいよ」と言っても、知ってる人があんまりいないんですよ。

松本:アハハハ。いい本、作ってたんですけどね。僕も親父の血を引いていて、峠道は自分の運転で走りたいタイプです。

林:就職先として、マスコミは考えなかったんですか。テレビ局とか出版社、電通とか。

松本:考えなかったですね。親父は僕がものごころついたときから「うちの会社、来年はつぶれるぞ」ってそればっかり言ってたんで(笑)。

週刊朝日  2015年5月22日号より抜粋

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