動物写真家の岩合光昭さんの世界の猫を訪ねる旅をお送りする。今回は、イタリア・コッレザーノの猫。
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世界中どこへ行っても猫は変わらない。セントバーナードのように大きな猫もいなければ、ネズミのように小さな猫もいない。多少、差はあれども大きさに大差はない。
それに、ヒトみたく、お国柄による性格の違いなんてものもない。どこの猫も自由気ままにどこ吹く風。猫は猫の勝手でしょ、といった具合だ。
とはいえ、野生動物のように遠い存在ではない。人が住む場所には、必ず猫がいる。お花畑の中でかくれんぼ中の猫は、そばのガソリンスタンドで飼われている。かたや、人の気配を全く感じさせないイタリアの草原をお散歩中の猫も近くのチーズ工房で暮らしている。
つかず、離れず。時には、人に寄り添い甘える。そんな猫の猫らしさが、世界中の人に愛される所以(ゆえん)なのだと思う。
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※週刊朝日 2015年4月17日号