「債務が膨らむと、本来なら金利に反映される(金利が上昇する)はず。日本の長期金利がそうならないのは、日銀が国債を大量に買って人為的に抑えているから。いわば“官製相場”で、いつまでもそんな状態を続けられるはずはない」
債務の悪化を悲観して日本国債売りが顕著になり、価格下落に伴ってその利回りが急上昇するという図式である。日本国債を保有している大半は国内の投資家だから投げ売りはないとの楽観論もあるが、浜氏はこう否定する。
「大部分は機関投資家であるため、運用を失敗すればその責任を問われる。日本国債がジャンク債(紙クズと化す恐れの高い債券)になりかけても手放さないようなことはありえません」
誰かが売りだすと、他の投資家もいっせいに追随するのはマーケットで起こりがちな現象。一気に進むと、まさに日本国債の暴落だ。
長期金利が跳ねれば、住宅ローン金利も連動するし、銀行は国債を大量に保有しているため、金融機関の倒産も相次ぐかもしれない。
「株価、円、国債のトリプル暴落もありうる」(浜氏)
もはや小説だけの世界ではないのだ。
※週刊朝日 2015年4月17日号