長岡夫妻は2階建ての5LDK、家賃7万円くらいの借家に住み、長男と3人暮らし。次男は地方に住んでいるという。

 長岡容疑者は無口という評判で、以前は地元の建設会社に勤務していた。

「彼はうちで左官職人をやっていました。数年勤めたけれど、5年くらい前、仕事がなくて暇だったし、65歳くらいになったので辞めてもらった。彼は個人でやっていたので、厚生年金はかけていなかった」(会社の担当者)

 会社を辞めた長岡容疑者が、妻の介護をするようになった。

「旦那さんはリュックサックを背負い、近所のスーパーでよく買い物をしてました。奥さんの食事から下の世話まで全部やっていたようです。近く、奥さんを札幌市内の病院に入院させる予定だったというけれど、困窮して入れられなかったのかも」(前出の主婦)

 事件を通報した長男が本誌の取材にこう語った。

「父は国民年金に入っており、月4万円くらいは年金が出ていました。私の収入もありますし、金銭的なものが事件の原因ではないですので……。なぜ、父が母を殺害したのかという原因は、まだ僕にもわからないんです。すいません。申し訳ないですが……」

 近所で高齢の母親の介護をしている女性が話した。

「認知症で入院できる病院は少ないし、安い介護施設には空きがない。私らだって、理性で抑えているだけで、いつ爆発したっておかしくない……」

(本誌取材班=上田耕司、小泉耕平、西岡千史、福田雄一、牧野めぐみ/今西憲之)

週刊朝日 2015年2月27日号

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