『週刊朝日』の長友佐波子編集長が企業で輝く女性たちにインタビューする「フロントランナー女子会」。今回はオリックスの執行役の山科裕子さんです。
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長友:山科さんにとって仕事の醍醐味ってなんですか。
山科:みんなで同じ方向を向いて課題に取り組んでいるのが感じられると楽しいですね。人ってぐーっと伸びるときがあるんですよ。だからお節介かもしれないけど「もし頑張れるなら、もうちょっとストレッチしてみない?」みたいなことはよく言ってます。
長友:部下が育つのを見るのが喜び?
山科:すごく嬉しいです。自分を振り返っても、いろんな方に伸ばしていただいたので。だからご恩返しじゃないですが、女性マネジャーの異業種勉強会というのをやったりもしています。
長友:社内だけじゃなくて、異業種で?
山科:男性は社外のネットワークづくりが上手ですが、女性ってそういう機会が少ないですよね。それに、自社の考え方を理解することはもちろん大事だけど、別の視線を持つことも重要だと思うんです。これは自分自身が社会人大学院に行って受けたカルチャーショックとして強く残っていて。知り合いの女性役員の方ともそういうお話になって、じゃあ異業種でも問題意識を共有しようと、2~3カ月に1回、8社、30人ぐらいが集まっています。
長友:他社の人だと利害関係がないのがいいですよね。
山科:そうなんです。愚痴も話しやすいですし(笑)。仲間がいる、自分一人じゃないと思えるって大事です。
長友:お忙しいでしょうに、社外でそんな活動もされてちゃんと休めてます?
山科:それは大丈夫です。夫と二人暮らしなんですけど、休日は二人でリフレッシュするようにしています。彼は大学の同級生だったので、一緒に就職活動もして、社会人になって。夫の海外への単身赴任などいろいろ大変なこともありつつ、いろんな話ができるパートナーなので、私を理解し協力してくれますね。ご飯も作ってくれますし。
長友:えー、素晴らしい!
山科:常に感謝の言葉は口に出していますね。大げさなぐらい「ありがとう」と言うし、言えないときはメールで送って。子供を育てるときよく、褒めて育てる、と言いますけど、たぶん人ってみんな褒めたほうが育つんだろうなと。
長友:アハハ。部下も?
山科:たぶん。でも「どこが?」と思われるかもしれませんが(笑)。「できません」とか言われると「うん、事情はわかるけどやらなくちゃいけないよね」「やれませんじゃなくてどうすればできるの?」「できることを提案して」とか迫るので。
※週刊朝日 2015年2月13日号より抜粋