岡田克也氏 (c)朝日新聞社 @@写禁
岡田克也氏 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 長妻昭(54)、細野豪志(43)、岡田克也(61)の3氏が立候補した民主党代表選は、細野氏と岡田氏の一騎打ちの様相だ。先の衆院選敗北を強調し、岡田攻撃に余念がない細野氏。世代交代を掲げ、清新さもアピールする。

 この2年間、準備を怠らなかった細野陣営。だが、初陣勝利への道のりは平坦(へいたん)ではない。色男ならではの難関が待ち受けている。まずは「野党再編志向」というレッテルだ。

 代表選で細野氏は「民主党の再建が最も大切」「今後、維新の党と一緒になるのは難しい」と語り、維新との合流には否定的な考えを強調した。

 しかし、根っこは「野党がバラバラでは自民党に勝てない」という野党再編論者だ。一昨年12月には、新党結成を視野に入れた超党派の勉強会を「維新の党」江田憲司代表らと発足させている。同月の週刊朝日のインタビューでも「今の民主党の人数では(政権交代の)リアリティーがないから、連携は絶対しなきゃならない」「本当の意味での保守政党を作りたい」と野党再編の必要性を強く説いていた。

 昨年の衆院解散直前には、「みんなの党や維新の党と組んで、新党を作るべきだ」。海江田万里代表(当時)に直談判したこともある。

 8日の代表選公開討論会では、そんな隠しておきたい内幕を岡田氏にあっさり暴露された。

「政治家同士、クローズの場所で話したことを公開すること自体、やや残念だ」

 そう言って細野氏は顔をこわばらせた。岡田陣営の幹部はこう語る。

「国会議員の多くは連合の支援を受けているし、党員には労働組合員も多い。労組を目の敵にする橋下徹大阪市長の維新と組むと言えば票が逃げるので、細野さんは今だけ持論を封印しているのでしょう。でもそれも多くの人に見透かされている。『橋下市長と将来的に組む確率は100%』と言った前原誠司元外相と細野氏が親しいのもマイナス。警戒され、細野氏への票は伸びないのではないか」

週刊朝日 2015年1月23日号より抜粋