新雑誌「xReality」を創刊したホリエモン。その付録には小林幸子のライブで話題になったVR(バーチャルリアリティー)のビュアーが付いており、その世界が気軽に体験できるという。

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■Oculus Rift(オキュラスリフト)で小林幸子が360度のVRライブ

 個人事務所社長解雇問題で芸能界を、というかテレビから干されていた感のある小林幸子さん。問題を起こした大相撲と同じく、ニコニコ動画が救済……というか、すかさずアプローチして今やニコニコ動画では「ラスボス」として大人気だ。

 雨降って地固まるといった感じか。ちなみに「歌ってみた」動画は瞬速で100万再生を超え、やはり演歌界のスターだけあって、その歌唱力は素晴らしい。

 そんなニコニコ動画で活躍中の小林幸子さんだが、ついに360度VRライブにチャレンジした。これはドワンゴとNTTが共同開発した、パノラマカメラでネット中継をするシステムだ。

 帯域制限のあるネット放送のために視聴者が見ている部分だけHD画質でエンコードし、その周縁部分や見えていない部分はSD画質でエンコードするという離れ業で、VRヘッドセットのOculus Riftでの視聴体験を可能にした。

 しかし、Oculus Riftは最新版のDK2でも高性能のゲーミングパソコンクラスのハイスペックパソコンが必要な代物。数十万円するパソコンを手に入れてVR体験をするのは非常にハードルが高いと思われる。

 ところが今や誰もが持っているスマートフォンがあれば、VRを手軽に体験できるブラウザがある。それがハコスコだ。そのハコスコは、私が責任編集長を務める「xReality」(朝日新聞出版)という雑誌に付録として付いている。誰でも簡単に組み立てることができるレンズ付きの段ボールキットである。

 これを使えば、さすがに小林幸子さんのライブパノラマは見られないものの、録画してある画像であれば十分見ることが可能だ。専用のハコスコアプリをダウンロードすれば、簡単にアップロードしてある専用コンテンツが見られる。本屋さんでも購入可能だという意味で門戸も開かれているのである。

 まだまだ、本格的なVRビューワーが一般に普及するまでには時間がかかるであろう。その間を埋めるのがこのようなソリューションだ。

 私はVRについて、ちょうどパソコンやインターネットが世の中に出回り始めた時期に非常に似ているものを感じている。一般的に言えば、VRはまだまだ遠い未来の話で、まさか雑誌付録で気軽に体験できると思っている人は少ないだろう。そんなこともあり、雑誌「xReality」は大人気、大好評発売中だ。とくにAmazonでの売れ行きは好調らしい。

 私はVRは今後10年間で、インターネットのように普通に一般社会で使われるソリューションになると思っている。インフラになると信じている。今からVRの世界に親しんでいるとインターネットで一財産築いたIT長者のようになれるかもしれない(笑)。

 というわけで、「xReality」を読んで、ぜひ時代の最先端に触れてみてほしい。

週刊朝日  2014年12月5日号