グルメリポートの食べっぷりで、これまでの“女子アナ像”を覆し、“ぽっちゃり系”としての地位を確立した日本テレビアナウンサーの水卜(みうら)麻美さん。作家・林真理子さんとの対談で仕事に対する考え方を語った。
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林:「ヒルナンデス!」のレギュラーになって人気が出てきたんですか。
水卜:番組が始まったのが入社1年目の3月なんです。最初は視聴率がよくなかったんですけど、視聴率が上がるにつれて私のことも知ってもらえるようになったんだと思います。
林:出社は「ヒルナンデス!」に間に合えばいいんですか。
水卜:リハーサルがあるので、8時9時ぐらいで、いわゆるOLという感じの出社時間です。残業がなければ5時で帰れることもあります。
林:でも、この間テレビで「水卜アナの一日」というのを見たら、外に行く時間がないから食事はコンビニのパスタで済ませてましたし、会社を出たのも夜の10時過ぎでしたよ。
水卜:スケジュールがきついときは、そんなこともあります。
林:しかも水卜さんって、テレビに出るだけじゃなくてナレーションのお仕事までやってるんですよね。大変じゃないですか。
水卜:でも、声だけの仕事にはプライドを持っているといいますか、ナレーションはやっておきたいという気持ちがあるんです。私の声ってわからなかったと言われるのが、ほめ言葉だったりするんですよ。
林:専門家の方が、「ナレーションの声の、通りと発音が素晴らしい」ってほめているのを読んだことがありますよ。
水卜:アナウンサーとしての部分をほめられるのが、いちばんうれしいですね。
林:人気者だから特番にもバンバン引っ張り出されちゃったり。もっとほかの人に回してくれればいいのにと思ったりします?
水卜:いえ、できれば譲りたくないです(笑)。やれるものは全部やらせてくれと思ってます。仕事、好きなんです。
林:そうは言っても、苦手な人や意地の悪い人だっているでしょう?
水卜:お昼にあんまり毒のある人を持ってこられないのか、「ヒルナンデス!」って心優しい人がキャスティングされてるんです。すごく恵まれているので、今後過酷な現場に行ったときがちょっと心配ですが。
林:グルメリポートも好きですか。
水卜:好きです。アナウンサーってふつうあんまり食べる機会がないんですけど、「ミトちゃん、かわいそうだから食べていいよ」と言ってもらって食べていたら、「水卜も今度から番組で食べたら?」と言われて企画がスタートしたんです。
※週刊朝日 2014年11月28日号より抜粋