離婚後、親子の交流を訴える人たちの街頭活動 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 2002年の28万9836組をピークに12年には23万5406組と、ここ十数年で減少している離婚件数。その一方で同時期に行われた面会交流調停(別居する親が子どもとの面会を求めて裁判所立ち会いの下、話し合い合意を目ざすこと)の申請数は3. 5倍に増加している。とくに比率、数とも男性が急増しているという。

 30代技術者・Bさんは子どもと同居している妻の実家を訪ね、直談判を試みた。彼は転職を機に収入が半減。妻の親が介入し別離。以来子どもと会えなくなった。

「乳児だった子どもを連れ去られたのは約7年前です。しばらくして妻の実家に行って義父母に自分が悪かったことを謝り続けましたが、妻子には会わせてもらえませんでした。『せめて子どもだけでも会わせて欲しい』と毎月手紙を送ったりもしたんですが、一切返事はありませんでした」

 その後、Bさんは子どもの通う小学校へ出向き再会を果たす。いないはずの父親に会えたことで、子どもはとても喜んでいたという。

 しかし交流はそこで絶たれた。妻側が学校に陳情し、Bさんが子どもに接近できないようにしたのだ。

「子どもがあんなに再会を喜んでくれたのに周りが親子の絆を必死に断ち切ろうとする。もう何が正しいのかわからなくなり鬱になってしまいました」

 こうして追い詰められ、面会交流調停に踏み切る男性が多いという。

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