少額の保険料で手軽に入れる“コンビニ”感覚の保険が人気だ。大型の補償はないが、「ペット保険」や「レスキュー保険」など、これまで保険会社が取り扱ってこなかったニッチ(すき間)で、趣味や生活に密着した保険がたくさんある。

 一般的な生命保険や損害保険に比べて保険料が安く、保険期間も1~2年と短い「ミニ保険」(正式名称は少額短期保険)。手軽に入れるため、コンビニ保険とも呼ばれている。保険契約数も順調に伸び、12年度は約537万件。08年度と比べると約65%増となっている。なかでも高齢者に人気なのが、「終活」保険だ。

「葬儀費用ぐらいは家族に迷惑をかけず、自分で用意しておきたい」……そんな「終活」のための保険だ。

「終活のための保険 葬祭費用あんしんプラン」(NP少額短期保険)は葬儀費用、火葬場費用などの費用に使える死亡保険金30万円(1口)が支払われる。

 現在、保険契約者数は約1万8千人。60~70代が7割を占めるという。保険期間は1年だが、継続して契約する人の割合は95%。

「継続契約の場合は保険金請求の翌営業日に保険金をお支払いするため、お通夜にも間に合います」(同社広報担当)

 また、最近では「孤独死」などが社会問題となり、独り暮らしの高齢者がアパートなどで死亡し、何日もたってから発見されるようなことも起きている。

 とくに気温の高い夏場に死亡した場合は畳などもすべて取り換えなくてはならず、修復に高額の費用がかかるときもある。「住まいるキーパー」(アクア少額短期保険)は入居者が孤独死した際の部屋の復旧費が30万円まで補償される。

週刊朝日  2014年7月18日号より抜粋