自民党内でも同じような危惧がある。7月1日に開かれた自民党総務会で執行部批判をした村上誠一郎元行革担当相がこう吠えた。

「ある新聞が政治の劣化と戦争の脅威を書いていたが、政治家が劣化して、本当に自衛隊員が集まらない。これで石破君(茂幹事長)が言うように、地球の裏側まで命をかけて行ってもらうようなことになったら徴兵制度を考えないと実行できなくなる。本当にそこまで国民や政治家が覚悟しているのか。単なる文章上の解釈変更に非常に危ういものを感じる」

 現在でも、自衛隊は隊員確保に悪戦苦闘している。 集団的自衛権が閣議決定された7月1日、自衛隊がAKB48の「ぱるる」こと島崎遥香を起用した隊員募集のテレビCMを放映開始。軌を一にして全国の高校3年生を中心にした若者宛てに「自衛官募集」のダイレクトメールが届き、ネット上で「赤紙か」などと話題となった。

「ダイレクトメールの送付は住民基本台帳のデータを基に、以前から行われています。少子化により、自衛官の募集適齢者である18~26歳の人口はピーク時から約3割も減っていて、自衛隊も隊員の確保に必死。広報官は『学校開拓』といって、学校長や進路指導担当者と仲良くなって直接勧誘する体制を築きつつある。今後、米国のように『入隊すれば大学の奨学金がもらえる』といって低所得層から隊員を募る『経済的徴兵制』が導入されていくのではないか」(「平和新聞」編集長の布施祐仁氏)

(本誌=小泉耕平、原山擁平、一原知之、古田真梨子、牧野めぐみ)

週刊朝日  2014年7月18日号より抜粋

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