会見で野々村氏は「不自然な支出」を認めながらも、
「グリーン車で間違いなく行った。切符の券売機に領収書ボタンがあるのをはじめて聞いた」
などと領収書がない理由を答えた。だが、一方で野々村氏は、切手10円分の領収書も丁寧につけている。いかにもちぐはぐだ。
昨年9月2日には、城崎温泉に出張したと野々村氏は報告している。だが、9月1日から2日にかけて、近畿地方は大雨に見舞われた。兵庫県丹波市では2日朝、1時間に観測史上最高の94ミリの雨量を観測。大阪から城崎温泉方面への特急は落石もあり運休し、動きだしたのは夕方からだった。
野々村氏の報告には、西宮から大阪、そして城崎温泉に特急のグリーン車を利用して向かった相当額1万5340円が記載されていた。大阪から城崎温泉までの所要時間は約2時間半。城崎温泉から大阪方面への最終特急は午後6時過ぎに出発する。どう考えても、日帰りは不可能だ。
また、報告書には切手購入が多数記されていた。昨年度だけで40万円近くを購入。今年1月には、9日に2万9910円、10日に2万9860円、11日に2万9700円、16日には2万3310円の切手をすべて金券ショップで購入している。本当に政治活動に使われたのだろうか。
これらの疑念について野々村氏に取材を試みたが、問題の会見後、自宅には不在で新聞がたまっている状態。携帯電話はつながらず、メールを送っても返信はなかった。
野々村氏は出張費を返還する意思を示しているが、
「ここまで大きなニュースになれば、動かざるをえない」(兵庫県警幹部)
詐欺罪などを視野に捜査を始める方針だという。
※週刊朝日 2014年7月18日号