イラスト/ウノ・カマキリ
イラスト/ウノ・カマキリ

 そして、自民党の幹部は「建前と本音で言えば、GX実行会議の決定事項のうち、建前がGX150兆円投資で、本音は原発回帰だろう」と結論づけた。

 それにしても、日本政府は原発から出る放射性廃棄物や使用済み核燃料をどうするつもりなのか。小泉純一郎元首相は、首相在任時は原発推進派だったが、今は反原発派に転じている。フィンランドの放射性廃棄物の保管設備「オンカロ」を見学し、保管している放射性廃棄物が無害化するのに10万年かかると知ったからだ、というのである。日本にはオンカロもなければ、オンカロをつくる計画さえもない。それでいて、岸田内閣が原発を積極的に推進するとはどういうことなのか。

 2月12日放送の「激論!クロスファイア」は原発問題をテーマに、西村康稔経済産業相に出演してもらうことになった。真意を問おうと思っている。

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

週刊朝日  2023年2月24日号

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田原総一朗

田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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