まもなく俳優生活40周年を迎える鹿賀丈史さん。来年にはミュージカル「シラノ」の上演を控える鹿賀さんが、1993年に放送された人気番組「料理の鉄人」の秘話を語った。
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林:今度、「料理の鉄人」をリメークした「アイアンシェフ」という番組が始まって、私もたまに審議委員で出させてもらっているんです。収録に行くと、ここに鹿賀さんが立っていらしたんだなと、思い出しますよ。テレビを見てる人も、鹿賀さんの姿を脳裏に浮かべているんじゃないでしょうか。
鹿賀:ああ、思い出されるでしょうね、いろいろと。
林:あのころ、フジテレビも世の中もすごくいいときで、視聴率もとんでもない数字でしたっけ。
鹿賀:すべてに勢いがありましたね。僕も芝居以外でああいうことやったのは初めてだったものですから、半分は遊びの気持ちと、テレビ特有のエネルギーが出ればいいなと思って、いろいろ研究してやりましたけどね。
林:あの場にふさわしい衣装と身ぶりを、ご自分で研究なさったんですよね。そういえば、何かのときに鳩山由紀夫さんが鹿賀さんの衣装を借りてきたなんてことがありましたね。
鹿賀:ハハハハ、よくご存じですね。
林:12、13年前、エイズのチャリティーコンサートで私は「トスカ」を歌ったんですけど、鳩山さん、指揮をするのにあの格好でいらして、みんな唖然としていたら、「鹿賀さんに頼んで借りてきた」とおっしゃっていましたよ。(笑)
鹿賀:そうです、そうです。
林:あのあと鳩山さん、政権をとって首相にもなったんだから、鳩山さんにとってもいちばんいい時代だったのかもしれないな……。(笑)
※週刊朝日 2012年12月28日号