草間彌生/「宝荘ホテル」1人1泊2万1060円(税込・4人利用時)~世界的に活躍する草間氏が手掛けた客室。ドット柄のドアを開けると、赤が基調で、大きなハートや若かりし草間氏の裸体写真などで飾られた派手な部屋が。さらにカボチャの部屋を抜けると、ブラックライトに照らされたカラフルなドットの空間。手前のガラス製座卓は、初お披露目の新作だ(撮影/写真部・岡田晃奈)
草間彌生/「宝荘ホテル」
1人1泊2万1060円(税込・4人利用時)~
世界的に活躍する草間氏が手掛けた客室。ドット柄のドアを開けると、赤が基調で、大きなハートや若かりし草間氏の裸体写真などで飾られた派手な部屋が。さらにカボチャの部屋を抜けると、ブラックライトに照らされたカラフルなドットの空間。手前のガラス製座卓は、初お披露目の新作だ(撮影/写真部・岡田晃奈)
谷川俊太郎/「道後舘」1人1泊3万5790円(税込・5人利用時)~詩人の谷川氏が「庭のある新しい仕事部屋」に仕立てた一室。鏡や風呂場、原稿用紙に見立てた天井など、あちらこちらに谷川氏の言葉が綴られ、ここにも! とどきりとさせられる。実際に使っていたパソコンには電源が入っているため、本人作のファイルを読むことも。細部のユーモアがじっくりと楽しめる(撮影/写真部・岡田晃奈)
谷川俊太郎/「道後舘」
1人1泊3万5790円(税込・5人利用時)~
詩人の谷川氏が「庭のある新しい仕事部屋」に仕立てた一室。鏡や風呂場、原稿用紙に見立てた天井など、あちらこちらに谷川氏の言葉が綴られ、ここにも! とどきりとさせられる。実際に使っていたパソコンには電源が入っているため、本人作のファイルを読むことも。細部のユーモアがじっくりと楽しめる(撮影/写真部・岡田晃奈)
荒木経惟/「ホテル古湧園」1人1泊2万3760円(税込・3人利用時)~「緊縛」と題された、写真家アラーキーの代表作が襖4枚を埋める。離れて見ると、部屋と写真の畳がつながっているような錯覚がおきる。床の間の全面に貼った花と恐竜の作品も圧巻だ。荒木氏が描き下ろしたイラスト原画や、ちょっとここには掲載できないような“エロス”写真も展示。宿泊層は中高年が多いとか(撮影/写真部・岡田晃奈)
荒木経惟/「ホテル古湧園」
1人1泊2万3760円(税込・3人利用時)~
「緊縛」と題された、写真家アラーキーの代表作が襖4枚を埋める。離れて見ると、部屋と写真の畳がつながっているような錯覚がおきる。床の間の全面に貼った花と恐竜の作品も圧巻だ。荒木氏が描き下ろしたイラスト原画や、ちょっとここには掲載できないような“エロス”写真も展示。宿泊層は中高年が多いとか(撮影/写真部・岡田晃奈)

 世界をまたにかけるアーティストたちが、愛媛・道後温泉一帯を作品に変えているのだとか。4月10日にグランドオープンしたばかりの「道後オンセナート」、なんだか楽しげです!

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 車と並走するレトロな路面電車。ショートパンツの若者が松山城を目指し、菅笠をくいとあげたお遍路さんの瞳は青い。

 3千年の歴史があるとも言われる道後温泉の中心「道後温泉本館」が、木造三層楼の姿を現してから120年を迎えた。大還暦のお祝いは――最先端のアート。本館だけでなく、街中が多くの著名アーティストたちによる作品で埋め尽くされている。

 通りを歩いて気付く屋外作品もあれば、ホテルの一室がまるごと作品になったものも。今後、公開予定のものもある。

 客室は、お客がいてこそ完成するアート。見学もでき、泊まれば作家の細部へのこだわりも堪能できるうえ、普段は見つめるだけの作品に触れられる。ただし、来年の1月まで。パブリックアートは年内に終了するものもある。それが過ぎれば、きれいさっぱり元どおり。大規模なだけに惜しい気もするが、儚(はかな)いからこそいいのかもしれない。

週刊朝日  2014年4月25日号