北九州市の沖で内閣府の男性キャリア職員(30)が遺体で見つかった事件。謎めいた行動が次第に明らかになってきた。
韓国で職員の足取りが確認されたのは1月8日まで。そして18日朝、北九州市響町の約500メートル沖で荒れた海上を漂流するボートが見つかり、中に人影が確認された。ボートはその後、転覆。20日に職員の遺体が海中で見つかった。死因は低体温症か水死と発表された。着ていたジャンパーのポケットには、現金25万3200ウォンとクレジットカードが入っていた。
日本の公安関係者によると、釜山には日本への密航を手伝う業者がいる。釜山港から北九州沖まで船で運び、後はボートを使って自力で日本に上陸させ、韓国に戻るときは逆のルートを使う。そして、職員がこの密航業者を用いた確証があるという。つまり、職員は日本に密入国し、密出国しようとしていたというのだ。
その動機は何か。公安関係者がこう話す。
「職員は妻のほかに愛人がいて、トラブルを抱えていた。臆測だが、日本にいなかったというアリバイをつくって、何かを計画していたのではないか」
荒れた海に上陸を阻まれた職員は、どんな計画を胸に秘めていたのだろうか。
※週刊朝日 2014年2月21日号